書籍の内容
大好きな町田そのこ先生の作品「夜明けのはざま」
またしても、本当に今回もステキな作品でした!!!!!
これを読んで、一番に思ったことは
私の父も「芥子実庵」で葬儀したかったなあ・・・
って事です。
もう、ネタバレなど全く考えない感想文なのですが
いや~、まずなつめの人生がすごかった・・・
源氏名『みかん』として働くというのも
もう想像を絶する感じで、その最期も完全に想像を絶していました。
壮絶ともおもわれるような生き方だったけど
お葬式はじーんと温かい、いいお別れの式だったなあと。
そして、『葬儀は一体誰のためのものなのか』
ということを、生きているときにしっかり話し合っておかないといけないなあと痛感しました。
父が亡くなったから余計にそう思うことができたのかもしれませんね。
葬儀は遺族の為のものだけど・・・主役は故人ってことなのかな・・・。
うーん・・・。
それにしても真奈の母と姉が娘(妹)にカネをせびるだけの家族じゃないことがわかって本当に良かったです。ほっとしました。
小説の中のブッダの芥子の実の話が心に残りました。
物語の舞台『芥子実庵』はここから名前をとっているそうです。
私の祖母が熱心な真言宗の信者だったので
子供の頃にブッダの絵本(?)みたいなのをもらったことがあり
その中にも描かれてあったのを思い出しました。
子供を生き返らせるには
「芥子の実を『今まで死んだ者を出したことのない家からもらってくること』」
そうですよね・・・そんな家はないですよね。
「死は誰しもに訪れ、誰しもがそれを迎え入れなければならない」
死はとてもとても身近なものなのだなあと。
死に対する敬意→死は恐れ多い という気持ちから
恐怖心が生まれるというのも腑に落ちました。
『死』はやはり『恐れ多い』のだなあと。
それぞれの死への思いから、深度や明度の違う恐れを抱く
というのも、ああそうか・・・。
と思いました。
真奈の恋人の純也は、真奈と『死』への恐れ多さ
深度や明度が全く違ったから、やはり一緒にはなれなかったと思います。
子供の頃にそんな怖い思いをしたなら、やっぱり死への恐怖は薄れないと思うし。
『死』を扱う恋人の職業がどうしても受け入れられなかったのでしょう。
でも真奈は、本当に天職にめぐりあえたわけで・・・
生涯掛けてやりとおしたい仕事を見つけたという幸せ
は、私には一生味わうことがない幸せなんだと思います。
それにしても楓子のダンナは最低最悪だな!!!!
家族ぐるみで最低最悪だわ!!!
離婚できそうで良かったです!!!
これ、シリーズ化してほしいです!!!!
2024年、早々にすてきな作品に巡り会いました!!!
また再読しよ~~~っと!