事務員時代

事務員はいつまで続けられるのか?無事に定年退職を迎えることはできるのか??社会人になってからはずっと事務員として働く私の日常です

ひとりじめ

樹木希林さんが大好きでした。

 

我が家では母も大好きなので、「希林さん」と呼んでいました。

ぴったんこカンカン」に希林さんが出るときは必ず録画していたし(で、リアルタイムで楽しんで更に録画をまた観ていました)、安住さんとのやり取りも大好きでした。

 

NHKで『温故希林』って番組があって、それも大好きで観ていました。

希林さんのこと書き出すと止まらないかもしれないので、ちょっとこのへんで。

 

そんな希林さんとのことを書いたと聞いて、浅田美代子「ひとりじめ」が俄然読みたくなり図書館で即予約!母にも「予約したからね!」と報告しました。

そして、ワタクシの手元へ!!

 

 

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で、感想は

 

「読んで本当に良かった、コレは買いたい!!!」

 

です。

 

エッセイ、ってジャンルになるのでしょうか?

 

ワタシの浅田美代子のイメージは

 

・さんまのからくりTV

釣りバカ日誌

・とってもおしゃれ

・愛犬家

 

だったけど、その中に『とてもステキな文章を書く人』を付け加えなければならないなあと思いました。

 

手元において、なんども読み直したくなるような、素敵な言葉がたくさんありました。

 

 

もう随分前の話になってしまいますが、大学時代の友人が36歳で亡くなりました。

学部も部活も住んでいたアパートまで一緒で、彼女とは本当に濃密な時間を過ごしたと思います。

 

その子が31歳のときに思いがけなく脳のがんが見つかり、手術をしました。

私は同い年でしかも仲のよい子がそういう病気になったのは初めてで

激しく動揺し、心配しました。

 

家族の食卓の時間にもその子の事についてよく話しました。

大学時代も卒業してからも、我が家に何回か遊びに来てくれたこともありましたしね。

 

そしたら父が、

「会社の子にも脳のがんになった子がいてな・・・その子は2年くらいでなくなった。

 そういう病気だからな。」

と言ったんです。

 

その人の話は実は何回か聞いていました。

その人もとても若い人でした。

 

だけど、そのとき私は

「○○子(友人)はその人とは違う!!!!!

 死んだりしない!一緒にしないでっ!!!!」

 

と激怒して言ったんです。

 

父はなだめるように

 

「いやいや、そういう事もあるかもしれないから

 そのお友達とのこれからの時間を大切にしなさいということ」

 

と言いました。

 

まだ認知症でもなんでもなかった、普通の父が言った言葉でした。

 

この父の言葉を受け止めて行動出来るほど、私はオトナではなかったのかもしれません。

この本で言うところの「お別れまでの準備ができる期間」を私は大切に過ごせていなかったように思います。

 

これは亡くなった後に友人のお姉さんから聞いたのですが

友人は実は医師から「あと5年」と言われていたようなんです。

自分の余命を31歳で言われるなんて・・・。

 

だから友人はそこからうつになってしまったそうでした。

 

脳の手術をしてからは高次脳機能障害になったらしく(私はそのとき始めてこの言葉を知りました)、友人は全くの別人のように思えました。

以前のような意思疎通が全く出来ず、困ることも多かったです。

 

今でもよく思います。

私はその子との時間を大切に過ごせていたかなあと。

 

時間は有限って分かっているけど、なかなかその時間を大切に過ごすことは難しいです。

 

その子は亡くなってしまったけど、やっぱり私の心のなかに常にいるし

これからも大切に思っていきたいと思っています。

 

よい本でした。

 

私は本当は両親との時間も大切にしなきゃいけないのに

今は認知症の父に常にイライラしてしまっています。

 

もっとイライラせずに対応したいけど・・・難しいんだなぁ・・・ホントに・・・。

「父と楽しく穏やかに過ごす」

これが今一番の課題かな・・・。