「おしん」では、容赦なく人が亡くなります。
わたしの大好きだったおたい(ひさ:赤木春恵)さんは、今では「ナレ死」なんていう言葉がありますが、おしんが会話の中で「おかみさんも亡くなっちゃって、さみしくなったわ~~」みたいな感じで知るのです!!!
わお!!!ビックリ!!!えっ?
これだから「おしん」は、ひとことも聞き漏らすことができないんですよー!
1秒でも油断したらダメっ!
凄く大切なことをさらりと言うんですから…!
おしんの人生を大きく変えてしまった戦争・・・。
そして、長男の雄の戦死と、夫の竜三の自決。
この2人を失って、子供の頃に少し一緒に暮らした脱走兵だった俊作あんちゃんから、あんなに「もし戦争が起こったらね、絶対に反対しないといけないよ」と言われていたのに、反対できなかったのを責めつづけるおしん。
庭の隅にしゃがみ込んで、俊作あんちゃんの形見のハーモニカを吹くおしん。
うう、持ってたんだ・・・このハーモニカ!
いろんな事があったけど、このハーモニカはずっと持っていたんだね!おしん!
竜三さん、戦争に多くの若者を送り出してしまったこと、戦争に加担したことを悔やんで自決します。
ひっそりと静かに・・・。
疎開していた禎ちゃんに会いに行くのがとても切なかったです。
死ななくても良かったのに、責任感の強い人だったのです。
生きていくことがこのうえなく辛かったのでしょう。
でも、やはりおしんのため、子供たちのため、生きていて欲しかったと思います。
立派な最期だったと言われても、とても辛いです。
こんな展開になるとは思ってもいなかったので、本当に衝撃的でした。
竜三さんも雄も失って、大黒柱となってひとりで、仁、希望、初子、禎の4人の子供を育てていかないといけなくなったおしん(初子は家を出て行ってしまうのですが・・・)。
辛いことばかりなのに、 更に追い打ちをかけるように家を乗っ取られます。
乗っ取られるという言い方はおかしいのかも知れませんが、でも軍にしかるべきお金を支払って、家を買い取ったつもりだったのに、登記は前の持ち主のまま、そんなの酷いです。
でも、雄がこの家に帰ってくるかもしれないからと、どんなにいやなことをされても頑として家を出なかったおしん。
でも、雄の戦友の川村が訪ねてきて雄の死が確定し、田倉家はあのハレンチ家族に乗っ取られた家を出るわけです。
それにしても、私は初子の健気さもホントに辛いです。
はっちゃん…。
あの「初子は雄さんと一緒に死にました!!!」
っていうセリフ、凄く胸が痛かったです。
こんな風に大切な人を無くした人が、大勢いたんですよね。本当に戦争は絶対にダメです。
そして、もう一人、雄の戦友の川村さん(斉藤洋介)。
雄の遺品を持ってきてくれ、そのあとは行方が分からなかったそうですが、ある年のお正月にひょっこり田倉家を訪ねてきました。
そして、「初子さんをお嫁さんに下さい」と申し出るのです。
田倉(雄)に「初子を頼む」と言われたんです。
田倉から初子さんの事を聞く度に想いが募りました
などど話し始めるのですが・・・最初は「ホントに気持ち悪いっ!」て思ってしまいました(ごめんね、川村さん)。
どうやら川村さんは、この何年間、お金を貯めて初子を迎えに行くため猛然と働いてきたようなのです。
そして、おしんに駅前の広大な土地をタダで譲ろうとする川村さん。
お金で買われるような気がして怒る初子ですが、それも無理もありません。
なんと言っても急すぎます。
川村さんは何年も思い続けてきたのかも知れませんが、初子にしてみたら寝耳に水ですもんね。
そして諦めてもらおうと思って、「自分は米軍相手に商売していたような女だから、幸せになる権利なんかない!」って打ち明ける初子。
でも、川村さんは顔色一つ変えずに「そんなの初子さんが悪いんじゃない!悪いのは戦争だ!戦争のせいでそうなってしまわないといけなかったんだ、そんな人は沢山居る!わたしもそうです」
と、初子の全てを受け入れるのです。
私、不覚にもこの川村さんの気持ちに感動し(だって、雄さんの話で初子を美化して想いを寄せているだけなのかと思っていたので)、川村さんとなら初子はうまくやっていける、幸せになれるのでは?と思ってしまいました。
しかし、川村さんは不慮の死を遂げてしまいます。
高利貸しをしていたようで、貸していた人に殺されたのです。
そして、家族も失って独りになってしまったときには誰一人として川村さんに手をさしのべなかった親戚が、莫大な遺産をそれぞれが奪うようにかすめ取っていき、川村さんのご遺体は誰も引き取らなかったそうです。
なので、川村さんのご遺体を引き取って、雄と同じお墓に入れてあげたおしん。
そのおしんのひと言「やっぱり川村さんも戦死なんだよ・・・」
辛いです。とても辛かったです。
川村さんは、ちょっとしか出てこなかったのにおしんの人生にとても影響を与えた人であったなあと思うのです。
ああ、それにしても雄さんが帰ってきてくれていたら、おしんや初子の人生も随分と違ったのではないでしょうか?
今、次男坊の仁が酷すぎて、そう思わずにはいられません。
おしんもついつい雄と仁を比べてしまって、希望から窘められていました。
しかし、そう思ってしまうおしんの気持ちが私にもなぜか良く分かってしまうのです。
独身だし出産も育児もしたことがないけど、きっと私もおしんならそう思ってしまうだろうなぁと。
現代パートでも仁はダメ感が漂っていました。
ああ・・・雄さんが居てくれたら・・・とやっぱり思わずには居られません。
これからどうなるのでしょうか?
セルフサービスのお店・・・ねえ・・・。